『獣となった子どもは、島へと連れていかれる』。その災いに抗おうとする者は、ひとりもいなかった。
三人の執筆者による共同小説です。一人一編ずつ書いています。
とある島と街を舞台として共有し、各編の間で時間的に同期を取りながら物語は進んでいく予定です。
所々で各編間のクロスオーバーが発生しますが、基本的にそれぞれは独立した短編であるため、どの編から読んでも成立するように書いています。
各編の著作権はそれぞれの作者に帰属します。
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遠い昔、ある湖岸の街で。
１３歳になった子供の一部が凶暴な獣に変身し、街の人を襲い始めた。
原因は誰にもわからない。
彼らは「獣人」と呼ばれるようになり、人々から恐れられた。
変身は一向に止む気配がなく、噂を聞きつけた軍隊が街に攻め込んだ。
獣人たちの力は強大であり、軍隊は多くの犠牲を強いられつつ、獣人を討ち滅ぼした。
それでも子供たちの変身は止まらず、新たな獣人が次々と生まれていった。
軍隊は変身を未然に防ぐため、ついには街の子供たちまでも手にかけ始めた。
街の人々は子供を守るため必死に軍隊に抵抗した。
そして、軍隊は獣人を隔離することを条件に街から撤退した。
人々は湖に浮かぶ島に新たな街を作り、そこへ獣人たちを閉じ込めることにした。
１３の誕生日になると、何も知らぬ子どもたちは、自分では選べないとても大きな人生の岐路に立たされることになる……